Blog記事一覧 > 痛み | 岡山市・備前西市駅・南区西市 じゅん整骨院 - Part 3の記事一覧
”突き指”って昔から軽視されがちなんですが、前にも書いたように子供の突き指は高確率で骨折を伴っています。
しかもレントゲンでは写らないような小さな骨折なので、「整形外科に行ってレントゲン撮ってもらったから大丈夫!」ではないんですね。
そのぶん、エコー(超音波画像検査)であれば細かな骨折も観察することができますので、当院ではエコーで骨折がないか丁寧に観察しています。
さて、突き指の固定について今日は深掘りしようと思います。
一般的に突き指をしたときに行う固定方法には、テーピング、アルフェンス(白いスポンジのついた鉄の板)、自着包帯、サポーターなどです。
しかし、これらの固定方法は、突き指した患部を的確には固定できません。
テーピングは隣の指と一緒に固定するバディテープという方法で固定しますが、指の曲げ伸ばしはできます。
アルフェンスは、患部の関節だけを固定すことは難しく、手のひらや場合によっては手首まで固定されることもあります。また、側方動揺性への固定はあまりできません。
自着包帯やサポーターは全体的に患部を覆うことができて巻いた瞬間は安心感があるのですが、とても患部が動いてしまいます。
また、テーピングやアルフェンス、自着包帯、サポーターは、そのままお風呂につけることができないので、いちいち外さないといけません。
そこで当院では、とある特殊な材料を使用して、突き指をした患部だけをちゃんと固定しています。
つまり、固定範囲は最小限だけど、しっかりとした固定ができる。
そして何よりそのままお風呂に浸けてもOK!だし、もちろん洗い物をしてもOK!ということ。
また、固定具は薄くて小さいので邪魔にもなりません。でも、関節はちゃんと固定することができます。
そもそも突き指は、靭帯の損傷です。
靭帯の修復には、特に急性炎症期においては断裂部が離開しないようにすることと、急性炎症を速やかに沈静化させることが重要なため、少なくとも急性炎症期だけでもちゃんと固定をしておかなければなりません。
固定がおろそかだと、靭帯がゆるゆるになったり、腫れが残ってしまうこともあります。
ですから、突き指はちゃんとした固定が非常に重要となるのです。
突き指した際には、時間外でも構いませんからまずは当院までご連絡ください。
”ヘルニア”や脊柱管狭窄症のほとんどは、手術せずによくなります。
そもそも、画像を撮ってヘルニアがあるからとか、脊柱管が狭窄しているからとかって単なる状態に過ぎないんですよね。
状態と病態は異なります。画像所見と臨床所見は合わないことは多々あります。当然です。
つまり、ヘルニアや脊柱管狭窄症は正常でもみられる身体の状態です。もちろん、それ自体が悪さをしていることもありますが、ただ、その可能性は決して高くありません。
そして実際には、全く違うところに全く違う病態が存在しているのです。
だからちゃんと所見をとって、病態を見極めることが非常に重要となります。
この前も、病院でMRIを撮ってL5ヘルニアと診断された患者さんが来院されました。でも、臨床所見としてL5ヘルニアの所見はあまりみられなかったんです。
下肢の反射は正常。下肢筋力正常。知覚異常なし。腰部、右臀部、右ハムにかけての痛み。ね、合わないですよね?
なので私は詳細に所見をとったわけです。
すると、どうも右仙腸関節、右梨状筋に異常がありました。そこでこれらの組織に施術をしたところ数回の施術で症状はほぼ消失。
その後、少し時間はかかりましたが、最終的には症状は全て消失しました。
病態把握、やはり非常に重要です。
当院ではこの病態把握を重要視しています。これまでどこに行っても原因がわからないとか、なかなか症状が良くならないとお悩みでしたら、まずはお気軽に当院までご相談ください。
”腱鞘炎”の原因は、ほとんどの場合が手の使いすぎと言われていますが、実は単に手を使いすぎても腱鞘炎になるとは言い切れません。
では、なぜ”腱鞘炎”になるのか?その原因は、手や指の使い方です。使い方といっても、何が悪いのか?これについいて解説させていただきます。
まず、指にはそれぞれ役割があり、それぞれの指の使い方にはルールがあります。
例えば、小指と薬指と中指の3本は力を使うときに使用します。そしてこの3本の指を使うときは、手のひらが横、もしくは上を向いているときに使わなければなりません。
そして、このルールを破ると傷めてしまう可能性があります。
つまり、重いものを持つときに手のひらが下(地面)に向いた状態で使うと傷めます。また、重いものを持つときに親指や人差し指を使い、他の3本の指を使わなければ、これもまた傷めてしまいます。
このように手・指にはその使い方にルールがありますので、このルールに反すると痛める可能性があるということです。
さて、ではこの”腱鞘炎”はやはり長くかかることが多い病態の一つです。もし、なかなかよくならないとお悩みの場合は、お気軽に当院までご相談ください。
”シンスプリント”は、ランニングなどですねの内側(下腿部)が痛くなる症状が主体で、主な原因は、疲労やストレッチ不足、フォームの乱れなどが関連していると言われています。
その病態は骨膜炎、疲労骨折、筋膜、ふくらはぎの筋肉の問題など様々で、的確な病態把握が必要となります。
しかし、一般的にすねの内側が痛いと言うと、すぐに「それは”シンスプリント”だね!」と決めつけ、原因や痛みの詳細な部位を確認せずに施術している整骨院も少なくありません。
また、患者さん本人も「あ、これは”シンスプリント”だな」と思い込み、ほっとけば治ると思い、湿布だけ貼って放置されていることがあります。
もしくは、ネットで検索してご自身でストレッチやテーピングをされている場合もあります。
ただし、先に言ったように”シンスプリント”の病態は様々であり、的確な病態把握を行わなければ症状はよくなりません。
正直、どんな病態であってもストレッチだけではよくなりませんし、マッサージやテーピングでも回復は難しいと思われます。
というのも、当院にはこれまで多くの”シンスプリント”の患者さんが来院されましたが、疲労骨折は2件、骨膜炎やふくらはぎの筋肉の問題も数件程度でした。つまり、シンスプリントで一般的に言われている病態というのは非常に少ないのです!
そもそも疲労骨折や骨膜炎、筋膜などが原因となり発生しているのであれば、そこに施術すれば良くなるはずです。でも、おそらくほとんどの患者さんは、なかなかよくならないと悩んでいるのではないでしょうか?
もちろん、当院であれば1回でよくなるということはありませんが、まずはその痛みの原因はなんなのかということをエコー(超音波画像検査)も駆使して徹底的に突き止め、的確な施術を行なっています。
では、何が原因ですねの内側がそれほどの痛みを発しているのか?ということですが、実は、”シンスプリント”の原因はすねの内側を走行している神経や、ふくらはぎの筋肉ではなく膝の筋肉が関連しています。
また、その病態を引き起こす「動き」も原因の一つとなります。例えば、胸椎や腰椎、股関節、膝関節、足関節など”シンスプリント”を引き起こす原因もまた様々です。
さらに、成長期の子供であればたんぱく質や鉄不足などの栄養状態も痛みを引き起こす原因となることがあります。
このように、”シンスプリント”と一言に言ってもその原因は様々です。
だからストレッチやテーピング、あとインソールなんかでも一時的には症状は緩和するかもしれませんが、またすぐに症状が出てきたり、いつまで経ってもなかなか症状が回復しないのです。
もし、”シンスプリント”でお悩みでしたら、いつでもご相談くださいね。
走っていたら”肉離れ”を起こしたという経験はないでしょうか?
と言っても、”肉離れ”の原因は様々です。走る、飛ぶ、着地するなど筋肉に強い収縮が強いられたときに肉離れは起きます。
ここではわかりやすく”肉離れ”と言いますが、肉離れという言葉は医学的ではありません。正式には筋損傷です。もっというと筋断裂です。そして、この筋断裂の中でもいろいろな分類があります。
さて、この”肉離れ”の症状は痛みが主体ですが、例えばふくらはぎの肉離れであれば、アキレス腱伸ばしができない、歩くといたいなどの症状があります。
ハムストリングの肉離れであれば、もも裏のストレッチで痛い、もしくは痛くてできない、歩けるけど痛みがあるなどです。
軽度の肉離れであれば、内出血は起こらないこともありますが、多くの場合は強い痛みと数日後に内出血が出てきます。ただ、肉離れを起こしていても内出血が出ないこともあるので、内出血だけで”肉離れ”を判断することはできません。
また、似ている症状に筋肉痛(遅発性筋痛)があります。筋肉痛は、筋肉が細胞レベルで損傷している状態で、肉離れに比べると症状は軽微で数日から1週間程度で症状は改善します。
筋肉痛は、一般的に翌日もしくは2日目以降に痛みが生じることが多いですが、中には運動直後から症状の出る筋肉痛もあるので、”肉離れ”と間違うこともあります。
ちなみに筋肉痛と”肉離れ”では、治療方法に大きな違いがあります。例えば、肉離れを起こしているのにストレッチをしてしまうと余計にその損傷をひどくしてしまいますし、温めてしまうと損傷部での出血量が多くなってしまうので、回復に時間を要してしまうことになります。
さらに、肉離れしているのに無理に運動をしてしまい損傷した筋肉に負荷をかけると、異所性骨化といって筋肉が骨化してしまうこともあります。こうなると保存療法(手術以外の治療法)だけでは、回復が難しくなるケースもあります。
ですから、筋肉痛と”肉離れ”を安易に判断してしまうことは危険なんです。
先日、筋肉痛と思っていたけどなかなか痛みが回復しないということから、発生から10日ほどたって当院を受療された方は、太ももの筋肉が断裂していました。
このように、筋肉痛と”肉離れ”の判断は意外と難しいのです。
当院では、エコー(超音波画像検査)にて損傷した筋肉を描出して、筋肉に損傷があるかどうかを判断していますので、このような症状でお悩みの際はまずはお気軽に当院までご相談ください。
”肘内障”は2~5才の小児に起こる肘関節の脱臼です。
原因は、子供の腕を引っ張った際に負傷することが多いですが、遊んでいるときに手をついて発生することもあります。
子供がいきなり泣き出して腕を動かさなくなったり、痛めた腕を全く使おうとしない、バンザイをしないなどの症状が見られた場合は、この”肘内障”が疑われます。
”肘内障”は、肘の関節を構成する骨のうち、橈骨という骨が靱帯から脱臼している状態です。
ですから、すぐに整復(元に戻す)する必要があります。
整復はほんの数秒で終わり、整復後はほとんどの場合で固定は必要なく、またその後のリハビリ・施術は必要ないことが多いです。
しかし、中には肩関節を脱臼していたり、橈骨という骨が曲がってしまっていることもあり(若木骨折)、早急に専門の医療機関を受診する必要があります。
「肘がはずれたかもしれない!」そう思った時は、すぐに当院までご連絡ください。急患の場合は、時間外でも受け付けておりますので、私が院内にいる場合はすぐに対応させていただきます。
「”膝の軟骨”がすり減ってるから膝が痛い‥」という患者さんがよくおられます。
レントゲンで関節の間が狭くなっていると、骨がすり減っている状態でみるからにそこが痛そうに思うかもしれません。
でも、軟骨には神経がないので軟骨がすり減ったとしても痛みは出ません。
さらにいうと、レントゲンで関節の間が狭くなって軟骨がなくなった人でも、痛みが出ていない人はたくさんいます。
じゃ、何が痛みの原因なのか?ということなんですが、その原因は様々です。
神経や筋肉、滑膜、脂肪組織といった組織が痛みの原因となっていることがあるのですが、レントゲンは骨しか写すことができないので、レントゲンだけでは痛みの原因を見つけることができないのです。
そんな時はエコー(超音波画像検査)が有用です。
先ほどの組織を観察できるだけでなく、動的撮影と言って患部を動かしながら撮影することができるので、実際に痛みが出る動きをしながら撮影することで痛みの原因を特定することができます。
もちろん、必ずすべての原因を特定できるわけではありませんが、それでもエコーから得られる情報は非常に多いため、原因をある程度特定することが可能です。
ちなみにエコーでは骨、軟骨、筋肉、腱、靭帯、神経、血管、膜組織、脂肪組織などを観察することができます。
そのため、先ほどの膝の痛みについても、レントゲンでは軟骨がすり減っていることくらいしかわかりませんが、エコーにて脂肪の動態や神経の滑走、筋肉の状態などを確認することで、痛みの原因を明確にできる可能性があります。
こうして痛みの原因がはっきりとわかれば、施術も自ずとやるべきことが明らかになります。
当然、当院ではエコーだけの所見に頼るわけではなく、基本的には臨床症状や徒手検査などで徹底的に病態を突き止めています。
しかし、中にはそれだけでは病態が不明瞭なこともあるため、そのような場合にはエコー検査を行なっております。
また、臨床症状や徒手検査だけではわからない、もしくはより詳細な病態を確認するという意味でエコー検査を行うこともあります。
どこに行っても原因がわからない、なかなか症状が改善しないとお悩みの方は、まずはお気軽に当院までご相談ください。
”中学生の膝の痛み”といえばオスグッド・シュラッター病です。
オスグッド・シュラッター病とは、成長期にお皿の下にある骨(脛骨粗面)が飛び出た部分で痛みが生じるもので、成長軟骨部分の炎症が主な病態とされています。
しかし、この部分の痛みは全てオスグッド・シュラッター病ではありません。
先日、陸上部(高跳び選手)の女の子が来院されました。
話を聞くと2週間前に高跳びの練習をしていて、踏み込んだ際に左膝前面に痛みが発生。整形外科にかかると、レントゲンを取った後、エコーにて患部を観察して軽度のオスグッド・シュラッター病との診断されたそうです。
部活の先生に伝えたところ、部活の顧問がたまたま当院に以前来院したことがあったため当院を紹介してくれたとのこと。
お母さん、お姉ちゃん、妹で来院。患者はお姉ちゃん。
痛みのある部位を口頭で聞くと、自分の左膝を指差し、オスグッド・シュラッター病で痛みが出る辺り(脛骨粗面)が痛いとのこと。
膝関節の運動痛はなく、脛骨粗面の膨隆、腫脹、熱感、圧痛はない。膝蓋腱にも圧痛はなし。この時点でちょっと「?」と思ったので、患者さんに痛みを再現してもらうように言うと…
ふと立ち上がり、片足立ちをして「先生、こうすると痛いです」と。さらにケンケンをして「ケンケンするともっと痛いです」と教えてくれました。
さらに、もう一度詳しく痛みが出ている部分を確認したのですが、やはり痛みが出ている部分に変わりはありませんでした。
そこで、当院でもエコー検査と同時に、私が押したら痛い部分(圧痛)があるかどうかなどを詳細に確認していったところ、患者さんが訴えた部分に圧痛はなく、その2cmくらい下に強い圧痛があったんです。
「なるほど!」私はわかったんです。追加で痛みが増強する違う動きや検査で痛みを確認させていただくと、痛みを再現することができましたので病態を的確に判断することができました。
患者さんには、「オスグッド・シュラッター病もあるかもしれないけど違う病態もあって、そっちの病態の方がいまの痛みには強く関与しています」と説明しました。
そして施術を行うと、ものの数分で片足立だけでなくケンケンでの痛みも消失しました。
病態把握は重要です。病態把握を見誤ると結果はでません。今回は、まさにそんな症例でした。
ちなみに、中学生や高校生でスポーツをしているとどうしても蛋白質や鉄が不足しがちです。不足すると怪我からの回復も遅くなりますし、他の様々な症状が出る可能性があります。
当院では、そのような理由から栄養指導もさせていただいております。
膝の痛み、放置されてないでしょうか?いつかよくなる…。そのうち痛みが少なくなる…。そう思って様子を見ていても一向に良くならない。そしてマッサージやストレッチ、湿布をしてもよくならない。
そんな方はたくさんおられますが、私はよくこう言います。
「3日たって良くならなければ、それは自己回復能力を超えた組織損傷があるのですぐに施術を受けて下さい」と。
痛み初めて3日以上たっても、まだ痛みが続いているのであればお早めにご連絡ださいね。
歩いても痛む”足首の捻挫”の多くは、靭帯損傷を伴っていることが多く、中には裂離骨折を起こしていることもあります。
しかし、レントゲンでは小さな骨折や靭帯損傷は判断できないので、病院や整形外科などでは病態の詳細を把握することは難しいかもしれません。
特に小学生の”足首の捻挫”は裂離骨折の発生が多いので、当院ではエコー(超音波画像検査)にて裂離骨折の有無や靭帯組織の損傷程度などを判断しています。
そして、”足首の捻挫”で非常に大切なのが急性期の処置と固定です。
当院では急性期の処置としてアイシングを行います。近年は賛否のあるアイシングですが、正しい知識のもと適切なアイシングを行うことで、腫脹の軽減、痛みの抑制、組織修復促進などを図ることができます。
アイシングに加え、生化学的な処置として微弱電流を用いて患部の化学反応を促進したり、関節のアライメントを確認し、足関節が正しく正しく機能するように調整します。
さらに、足関節の固定は足関節捻挫の回復を考えるうえで非常に重要なポイントとなります。
当院では、組織損傷の程度にもよりますが、靭帯の2度損傷(部分断裂レベル)程度であればキャスト固定(ギプス固定)を7〜10日間行います。
なお、当院のキャストは非常に珍しい素材を使っていますので、特徴を列挙しておきます。
・お風呂につけることができる
・ギプスなのに柔らかい
・白色以外になんと青色のギプスもある
・柔らかいので歩きやすい
・雨の日でも安心して外に出ることができる
・ハサミでカットすることができる
・靴にもよるが、紐履であればだいたい履ける
このような素材を当院では使用しているのですが、この素材は当院が独自のルートで入手しているもので、日本国内では全く流通していません。つまり、このギプスを扱っているのは国内では当院だけということになります。
また、当院では日常生活指導や栄養指導も積極的に行っています。
もちろん、当院に通っていただくことで”足首の捻挫”の回復は早くなる可能性はありますが、さらに日常生活の中でできること、そして栄養管理もしていただくことでより捻挫の回復を早めることができるからです。
例えば、たんぱく質、ビタミンC、鉄、亜鉛は靭帯の成分であるコラーゲンを修復する際に非常に重要です。
ただ、何をどれくらいの量を、どのようなタイミングで摂取すればいいかなど、栄養素としてサプリメントを摂取する場合は、ネット情報は誤った情報が多く、その中に埋もれている正しい情報を読み取ることはなかなか一般の方には判断が難しいです。
さらには、市販されているサプリメントの多くは含有量が少なかったり、摂取目安があまりにも少なかったり、吸収率の悪いものもあります。中には不要な添加物が大量に入っているものもあります。
足首を捻挫した際には、お早めにご連絡・ご相談ください。
先日、14歳の男の子が”突き指”のような症状で来院しました。
話しを聞くと、走っていた際に転倒して、右手をついたときに右母指の第2関節を負傷したとのこと。
右母指は全体的に腫れていて熱感もある。第2関節や第1関節には皮下出血斑が出ていました。
第1関節には動かしたときの痛みはなかったけど、第2関節は屈伸させると強い痛みがみられました。さらに、第2関節の小指側を押すと著明な圧痛がみられました。
患部をエコーで確認し、基節骨という骨の基部尺側(小指側)に折れているようなもの(骨片)を確認しました。そのため、骨折と判断して整復を試みましたが、整復後にエコーで確認しても明らかな変化はありませんでした。
すぐに整形外科を受診できるとのことだったので、患部は固定せず専門の医師にかかってもらいました。
同日にレントゲンを持って再来。骨折部は1.9mmの転位があり、手術も検討するようにと説明されたとのこと。
レントゲンにて骨折部の全体像を把握することができたので、なぜさっき整復できなかったのか?という原因がわかったため、再整復を試みました。
すると、今度は整復と同時に「クキッ」という整復音がしたため、これできれいに整復できたと確信し、すぐにエコーで確認すると、1.9mmもあった転位が0.9mmになっていました。
1mm以下に整復することができたこともあり、そのままアクアプラストという特殊な材料で患部を固定しました。
今回は中学生でしたが、小学生の突き指は8割が骨折を伴っているとも言われています。しかし、子供の骨折はレントゲンだけではなかなか見つけることが困難であり、近年ではエコーの有用性が指摘されています。
ただ、今回の患者さんはエコーとレントゲンの両方が有用であった貴重な症例でした。骨折の全体像がわかることで、受傷機転の詳細もわかり、整復方法もすぐに再考することができました。
骨折を見つけることはとても大事ですが、その後の整復や処置も重要です。
とはいえ、いまだ”突き指”は軽視されがちな外傷の一つです。突き指は、骨折を伴っている可能性もあるということをぜひこの機会に覚えておいて下さい。
そんなに痛みが強くなくても骨折をしていることもあります。突き指をしたら、できるだけ早めに当院までご連絡ください。