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腰痛には、様々な原因があります。筋肉、関節、神経など本当に様々です。そして腰痛の施術にもストレッチや体操、運動療法など様々な手法があります。しかし、その多くは的確な原因が特定されないまま、施術をされいる場合も少なくありません。
腰痛の85%は、画像検査では明らかな異常のみられない「非特異的腰痛」といわれています。そう、腰痛のほとんどは腰に原因がないということなんです。もう少し言い合わせておくと、画像では異常が見られないということ。
ぎっくり腰の再発率を研究した論文によると、12ヵ月以内での再発率は73%に上るといいます1)。
しかし、腰痛は正しく理解すれば、比較的早期に改善させることができます。さらに、ぎっくり腰の再発率を低下させることもできます。
この記事では、ぎっくり腰などをはじめとした腰の痛みを中心に、間違った腰痛の知識と腰痛が再発する原因について分かりやすく解説しています。
腰痛の患者さんは毎年伸び続けています。なぜこれだけ医療が進歩しているにもかかわらず、そしてこれだけ整形外科が増え、整骨院などの治療院も増え続けているのに腰痛の患者さんは減少しないのでしょうか?
実は、腰痛に対する知識がそもそも間違っているからです。つまり、これまで常識とされてきた腰痛にまつわる様々な知識は間違っていた可能性があるんです。だから、腰痛が治らないんです。
では、一体何が間違っているのでしょうか?これまでに常識とされてきたこと、一般的によく言われることを列挙して解説していく形で説明させていただきます。
多くの先生は「身体が硬いから腰痛になる」と言います。だから、患者さんも「私身体が硬いから…」と、こういうわけです。
そのため、腰が痛くなるとストレッチをはじめとする柔軟性を高める施術がよく行われます。
この柔軟性を高めるストレッチというのはスタティックストレッチ(静的ストレッチ)といって、一つの筋肉に対して20~30秒ほど持続して伸ばす方法で、柔軟性の向上にとても有効とされています。
しかし、ここで考えていただきたいのですが、本当に身体が硬いから腰痛になるのでしょうか?ということ。もちろん、最低限の柔軟性は必要ですが、ストレッチだけで本当に腰痛が治るでしょうか?答えは「ノー」です。
なぜなら、例えばバレリーナや新体操の選手は腰痛にならないでしょうか?そんなことはありません。ただ、中にはストレッチによって腰痛が改善するケースはあります。でも、それは腰痛を根本的に改善したということではありません。
なぜなら、身体が柔らかい人も腰痛にはなるからです。つまり、柔軟性を高めても腰痛は治らないということです。
柔軟性については、こちらの動画でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
> https://youtu.be/hpevQwoKWrM
ストレッチには様々な効果があります。柔軟性の向上、筋の粘弾性の向上、血流量の増大など、他にも様々な効果が期待できます。しかし、ここで注意しておかなければならないことがあります。それは、「筋出力が低下する」ということです。
どういうことかというと、スタティックストレッチによって伸張された筋は「抑制」といって力が入りにくくなってしまうのです。ということは、本来安定性に寄与している筋に対してスタティックストレッチを行ってしまうと、腰の安定性を損なってしまうということになります。だから注意が必要なんです。
しかも、その効果は3時間ほど持続すると言われていますから、例えばスポーツの前にこのスタティックストレッチをすると、パフォーマンスが低下する可能性があるのです。
筋力を強化すると、腰痛は治るのでしょうか?例えば、ボディビルダーの方は腰痛にならないでしょうか?そんなことはありませんよね。では逆に、筋力がない人は必ず腰痛になるでしょうか?そうとは限りませんよね。
つまり、いくら筋肉を強化しても腰痛は治らないのです。
いまだに「腹筋をしなさい」とか「背筋をしなさい」とよく言われます。さらに「腹筋と背筋のバランスが…」なんてことを連呼ている方もおられますが、そもそも筋力強化に意味がないですし、逆に腹筋や背筋運動は腰痛になるリスクが高まってしまいます。
理由は2つ。1つ目の理由は腹筋も背筋も筋肉の走行上、筋力強化の際に脊柱に圧迫力が強くかかってしまうということ。
2つ目の理由は、実は腹筋をするとインナーマッスルは抑制(力が入らなくなる現象)され、体幹の安定機能は低下してしまいまうため、結果的に腰痛発症リスクが高まってしまいます。このような理由から、腹筋や背筋はお勧めできません。
「運動不足」という言葉…、いつからよく聞くようになったでしょうか?運動しないのはよくない、運動したほうがいいに決まっている。そんな風潮があります。でも実際はどうでしょうか?残念ながら運動されている方の方がよっぽどケガや腰痛は発生しています。
とはいえ、適度な運動は有効です。運動することによって全身の血流がよくなったり、自律神経系への影響から腰痛が楽になるケースは十分に想定できます。しかし、運動不足と腰痛に深い関係はありません。ただ注意すべき点は、運動をしていても腰痛になってしまうという点です。
「姿勢をずっと正していたら、余計に腰が痛くなった!」そんな経験はないでしょうか?
つまり、【 姿勢がいい = 腰痛にはならない 】
という図式は間違っています。姿勢が良くなっても腰は傷めます。なぜなら、姿勢が悪いこと自体が腰痛の原因ではないからです。ちなみに姿勢がいい人も腰痛にはなります。
基本的に同じ姿勢をしていると腰が痛くなります。これは正しい姿勢でも悪い姿勢でも同じです。同じ姿勢を保持していると、同じ部分にストレスがかかり続けます。だから、腰痛が発生するのです。
幼稚園児や保育園児を見てみてください。「じっと座ってなさい!」と先生が言っても、モゴモゴ動いてますよね。だから、身体は疲れても肩や腰が痛くなるということが少ないんですね。
その点、大人は「忍耐」という神業を使えます。実はこれが腰痛を引き越しているのです。
シップ(湿布)とは、経皮的消炎鎮痛剤のこと。温感湿布とか冷感湿布と言って、温かく感じたり冷たく感じたりもします。でも、実際にはほとんど組織の温度変化はありません。
ちなみにどちらのシップも皮膚の表面温度を1度だけ下げます。これは気化熱によるもので、たいした効果はありません。
だから冷やすために…とか、温めるために…という目的で湿布を使ってもそれほどの効果は望めません。
結論から言いますと、施術期間中の服用はお勧めしません。しかし、痛みがあまりにもひどい場合、通院できない場合などこのようなときは、服用したり貼っていただいて構いません。
でも忘れないでください。痛み止めはあくまで「痛みを止めている」だけです。決して組織の修復が進むわけではありませんので、逸早く施術を受けていただくことが理想と考えます。
ぎっくり腰ほどの痛みではないけど常に腰がだるい、もしくは重いという症状が3ヶ月以上続く場合、腰痛が慢性化した状態と言えます。
腰痛が慢性化する原因は社会的要因、精神的要因、機能的要因など様々ですが、実はサポーターを肌身離さずつけている方は、慢性化のリスクは高くなってしまいますのでご注意ください。
関節、関節包(関節を包んでいる膜)、筋肉などにはたくさんのセンサーが存在します。このセンサーは何をしているかというと、どれくらい関節が曲がっているか、どれくらい筋肉が伸びているか、どれくらい負荷がかかっているかなどの情報を脳へ送っています。そして、その情報は脳で処理され身体をコントロールする際の参考にしています。
しかし、サポーターをしているとそのセンサーがさほど機能しなくてもよくなります。すると結果的にそのセンサーは”バカ”になってしまうのです。
このような経験はありませんか?サポーターを取ったらなんか腰が不安定な感じがするとか、力が入りにくくなるとか…。これは、センサーが”バカ”なっている証拠なんです。
そもそも【硬い=痛い】は違います。筋肉が硬いから緩める。これだけでは腰痛は治りません。理由は簡単です。硬くなった原因はそのままだからです。だから筋肉はまた硬くなってしまいます。
ということは、筋肉が硬くなった原因自体にアプローチする必要があるのです。
ただ、筋肉が硬くなったということは、筋を緩めることで逆に何か弊害が起こる可能性があります。というのも、例えば痛みを守るために硬くなっていたのであれば、筋を緩めることによってその痛みが増大してしまう可能性があるということです。
また、筋肉は緩めると弱くなります。この状態は、「抑制」と言って筋肉の出力自体が低下した状態です。つまり、腰を安定させる筋肉を誤って緩めてしまうと体幹の安定性は損なわれてしまい、腰痛になる可能性が高まってしまうのです。
だから筋肉をただ緩めればいいというわけではないということです。
人間という動物は、手の長さも足の長さも左右で違います。顔も左右で違いますよね。左右差はあって当たり前です。その左右差を補正するために、骨盤や背骨がうまく歪んでいます。さて、これは異常でしょうか?
そして、その歪みを正すことで、果たして腰痛が治るでしょうか?様々な理論はあるでしょうが、これでは腰痛を根本的に改善することはできません。
マッサージはとても気持ちいいです。マッサージをすると筋肉が柔らかくなって…と、ちょっと待ってください!確かにマッサージの直後、筋肉は柔らかくなります。上手なら(笑)。
でも、その後数時間で筋肉は前の状態よりも硬くなってしまいます。だから、実はマッサージをすればするほど筋肉は硬くなってしまうんです。
そう、実はマッサージをすることによってその筋肉は弱くなってしまいます。だから、むやみやたらにマッサージをするというのは全くお勧めできません。
ただ、疲れを癒したり、リラクゼーション効果としてはとても高い効果があります。あくまで腰痛を改善するという目的ではマッサージはお勧めできないということです。
画像検査では明らかな異常のみられないとされる非特異的腰痛は、85%を占めると言われています。しかし、この数字をどうとらえるか、そこが重要なポイントになります。どういうことか説明します。
画像や所見で異常がないということは、85%の腰痛は腰という構造体には損傷がないということが証明されたわけです。
つまり、腰には問題ないということです。ということは、画像所見では写らない何か、もしくは腰以外のところに腰痛の原因があるという証明になったわけです。
よって、ぎっくり腰のように腰自体に原因がある場合は、患部への施術が必要となりますが、患部の組織修復が完了すれば、腰への施術は全く意味がないということになります。
とはいえ、まずは腰の痛みを改善することが優先です。
じゅん整骨院では、腰の痛みの原因を詳細に見極め、的確な施術を行なっています。ただし、腰痛を改善するためには、これまでの考えを改める必要があります。なぜなら、これまでの考え方では腰痛が改善しなかったからです。
腰痛の改善方法について詳しくは、以下のページにも記載しておりますので参考にしてみてください。
> https://jun-seikotsuin.com/kaizen_program
腰の痛みが改善すれば、次のステップは再発予防です。
腰痛を確実に改善するためには、腰自体の構造的な部分に問題がある構造的破綻と、腰自体には問題なく、構造体を損傷させる原因である身体の機能的な異常である機能的破綻を理解しておく必要があります。
ここからは、以下のページに引き続き記載しておりますのでご確認ください。
> https://jun-seikotsuin.com/kaizen_program