Blog記事一覧 > アイシング,エコー,ビタミンC,ビタミンC,プロテイン,原因不明,捻挫,整形外科,栄養,湿布,物理療法,画像検査,病態把握,痛み,痛みの原因,突き指,筋損傷,組織修復,肉離れ,蛋白質,超音波画像検査,間違った常識,Q&A > 湿布はなぜ効かない?NSAIDsと組織修復阻害の臨床的関係|岡山市・じゅん整骨院

捻挫・打撲・肉離れなどの急性外傷を負ったとき、多くの方がまず手に取るのが湿布です。手軽に入手でき、貼った瞬間の冷感やスースーする清涼感から「処置をした」という安心感を得やすいことも、湿布が第一選択になりやすい理由の一つと考えられます。
しかし、じゅん整骨院(岡山市南区・備前西市駅徒歩1分)には、「湿布を貼り続けていたのに、痛みや腫れがなかなか良好な経過をたどらない」という状態でご来院される方が少なくありません。
今回は、その背景にある薬理学的な仕組みと、なぜ病態把握を伴う施術が必要になるのかを、専門的な視点から整理します。

市販・処方いずれの湿布にも多く含まれるのが、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる消炎鎮痛成分です。ロキソプロフェンやジクロフェナクなどが代表例として知られています。
急性外傷の直後、組織では炎症反応が起こります。損傷した血管や細胞から発痛物質・炎症性メディエーターが放出され、血管透過性が高まり、腫脹・熱感・疼痛といった症状が現れます。これは病的な現象ではなく、損傷組織を修復するために白血球や修復に必要な因子を患部へ集める、生体防御・修復システムの初期段階です。

NSAIDsは、炎症反応に関わるプロスタグランジンの産生に関与する酵素(シクロオキシゲナーゼ/COX)の働きを阻害することで、痛みや腫れを抑える薬理作用を持ちます。
一方で、炎症反応そのものが組織修復の初期シグナルとして機能している以上、この反応を薬理的に強く抑制し続けることは、修復に必要な細胞遊走や血流増加のプロセスを部分的に遅らせる可能性があるという仮説が、リハビリテーション領域では議論されています。
特に急性期を過ぎてもなお同じ対応を漫然と継続することが、疼痛の遷延化や再発しやすい状態につながっているのではないか、というのが臨床上の仮説です。
また、湿布による冷感刺激(メントール等の清涼感成分によるもの)と、寒冷刺激による局所血管収縮・血流低下は、区別して理解する必要があります。急性期のアイシングは意図的に血流を制御する処置として用いられますが、貼付を漫然と長期化させることが、回復段階に応じた血流の確保を妨げる可能性がある、という点は物理療法の観点から留意すべき仮説です。

当院では問診・視診・触診に加え、エコー(超音波画像観察装置)による評価を重視しています。表面的な腫れの程度だけでなく、靭帯・腱・筋線維の連続性、血腫や滲出液の広がり、周囲組織との癒着の有無などを画像として可視化することで、「今、患部の内部で何が起きているか」という所見を客観的に把握することができます。
この所見なしに一律の対応を選択することは、病態把握の観点から望ましくないと当院では考えています。
そして、急性期の冷却・圧迫といった基本処置を経た上で、患部の状態がどの回復段階にあるかをエコー所見に基づいて判断し、段階に応じた物理療法機器を選択しています。
これらはいずれも「痛みを一時的に隠す」ことを目的とした対応ではなく、エコー所見で確認した組織の状態(炎症期・増殖期・リモデリング期のいずれの段階にあるか)に応じて選択根拠を明確にした上で用いる、という考え方を当院では徹底しています。

組織修復は物理的な処置だけで完結するものではなく、材料となる栄養素が体内に十分供給されていることが前提になります。
損傷した結合組織の修復にはタンパク質(コラーゲン合成の材料)、血管新生や抗酸化にはビタミンC、細胞の再生には鉄・亜鉛といった微量栄養素が関与することは、栄養学領域で広く知られています。
当院では、こうした栄養学的な視点も踏まえた上で、施術と並行した食事・栄養に関するご案内を行っています。
湿布は急性期の対症的な選択肢の一つとして否定されるものではありません。ただし、「痛みが続いているのに、同じ湿布を貼り続けている」という状態は、患部の回復段階と対応内容が噛み合っていないサインである可能性があります。
じゅん整骨院では、エコーによる病態把握を起点に、物理療法・栄養学的視点を組み合わせた施術方針を組み立て、経過に応じて対応を見直す予後管理を行っています。同じ状態が続いている場合は、自己判断で湿布を継続する前に、一度患部の状態を評価することをおすすめします。
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