Blog記事一覧 > マッサージダメ,健康管理,整形外科,栄養,病態把握,痛み,痛みの原因,筋肉,組織修復,肩こり,肩の痛み,腕の痛み,間違った常識,頭痛肩こり,頸部痛,首寝違え > 腰痛・五十肩・肘の痛みにマッサージが逆効果になる場合|岡山市南区

腰が痛い、肩が上がらない、肘が痛くて物が持てない。こうしたときに、まずマッサージを受けて様子を見る方は多いと思います。揉んでもらうと一時的に楽になることも多く、それで落ち着く痛みもあります。
一方で、「何度揉んでもらっても戻る」「揉んだ翌日のほうが痛い」という方もいます。その場合、痛みの原因が筋肉ではなく、関節、腱、靭帯、神経、骨にある可能性を考える必要があります。
この記事では、腰痛・五十肩(肩の痛み)・肘の痛みを例に、マッサージで改善しにくい痛み、かえって悪化することがある痛みについて原因となる組織ごとに説明します。

関節や腱に痛みや炎症があると、周りの筋肉は患部を守るために緊張します(防御性の筋収縮)。この場合、筋肉の張りは原因ではなく、別の部位の問題に対する反応です。張っている筋肉を揉むと一時的に緩みますが、原因が残っていれば張りは戻ります。
当院では、次の項目から痛みの出どころを絞り込みます。
これらの所見とエコーでの観察を合わせて判断します。

| 部位 | エコーで確認する所見 | 考えられる原因組織 |
|---|---|---|
| 肩 | 腱板(棘上筋腱など)の連続性、腱内の石灰、肩峰下滑液包の液体貯留、上腕二頭筋長頭腱周囲の液体、烏口上腕靭帯の厚み | 腱板断裂、石灰沈着性腱板炎、肩峰下滑液包炎、上腕二頭筋長頭腱炎、関節包の拘縮 |
| 肘(外側) | 短橈側手根伸筋腱の付着部の低エコー化や肥厚、骨表面の不整、ドプラでの血流シグナル、外側側副靭帯の状態 | 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、靭帯損傷、関節内病変 |
| 肘(内側) | 内側側副靭帯の状態、内側上顆の骨表面、成長期では骨軟骨の状態 | 野球肘、靭帯損傷、骨端線の障害 |
| 腰 | 筋や筋膜の状態、皮下の液体貯留。椎間関節や椎間板など深部の観察には限界がある | 筋・筋膜由来の痛みの確認。深部の評価は徒手検査と医療機関での画像検査を併用 |
腰については、エコーで観察できる範囲が肩や肘より限られます。そのため、徒手検査の比重が大きくなり、必要に応じて整形外科での画像検査をおすすめしています。

腰痛の多くは原因となる組織を一つに特定できないとされています。ただし、椎間関節、仙腸関節、椎間板、神経根など、筋肉以外に痛みの出どころがあるケースもあります。
高齢の方や骨粗鬆症のある方では、思い当たるきっかけのない腰椎の圧迫骨折が隠れていることもあり、この場合に背中や腰を強く押すことは避けるべきです。成長期のスポーツ選手では、腰椎分離症を考える必要があります。
「肩が上がらない=五十肩」と思われがちですが、腱板断裂や石灰沈着性腱板炎でも似た症状が出ます。腱板が切れている場合、周りの筋肉を揉んでも腕を上げる力は戻りません。
また、五十肩(凍結肩)は痛みが強い時期と、硬さが主体になる時期を経て経過するとされています。痛みが強い時期に肩を無理に動かしたり強く揉んだりすると、痛みが増すことがあります。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、名前に「炎」とついていますが、腱の付着部の変性が主体の状態と考えられています。変性した腱は、適切な負荷をかけることで組織が適応していくとされており、揉んで緩めることだけでは改善しにくいと考えられます。
付着部を強く揉むと、その場で痛みが増す方もいます。また、肘の外側の痛みには、靭帯や関節内の病変、神経の絞扼が関わっている場合もあります。
揉んだあとに痛みが軽くなる現象は、触れる刺激が脊髄で痛みの信号の伝わり方を調整するという「ゲートコントロール理論」で説明されることがあります。この変化は痛みの感じ方の変化であり、腱や関節の状態が変わったことを示すものではありません。楽になったと感じて使い続けることで、腱や関節への負担が積み重なることがあります。
マッサージ直後に筋力や筋の反応が一時的に低下したとする報告がある一方、差がなかったとする報告もあり、結果は一致していませんが、そのリスクは否めません。腰や肩の周りの筋肉は関節を支える役割も担っているため、緩めることだけを目的にした施術は、症状によっては適さない場合があります。

当院では手技を否定しているわけではありません。原因となる組織と、その時期に合わせて使い分けています。

| 機器 | 主な使用目的 |
|---|---|
| ハイボルテージ | 強い痛みの時期の疼痛管理 |
| 立体動態波 | 深部の痛みの管理 |
| 超音波療法 | 腱や関節周囲組織の伸張性の改善、循環の促進 |
| 拡散型圧力波(ショックマスター) | 慢性化した腱付着部の痛み、石灰沈着性腱板炎 |
| 微弱電流(エレサス) | 組織修復過程を支える目的で用いられることがある |
| 低出力超音波(LIPUS) | 骨折、靭帯損傷の場合 |
物理療法の機器は単独で用いるのではなく、手技と運動療法を補う位置づけで選択しています。

腱、靭帯、関節包はコラーゲンを主成分とする組織です。修復や適応には材料が必要で、分子栄養学の観点からは次の栄養素が関わるとされています。
| 栄養素 | 主な役割 | 不足したときに考えられる影響 |
|---|---|---|
| タンパク質 | コラーゲンや筋線維の材料 | 腱や筋の修復・適応が滞る可能性 |
| ビタミンC | コラーゲン合成に必要な補酵素として働く | 結合組織の質の低下 |
| 鉄 | コラーゲン合成や酸素運搬に関わる | 組織への酸素供給の低下、疲労感 |
| 亜鉛 | タンパク質合成に関わる酵素の構成成分 | 組織の修復が遅れる可能性 |
| ビタミンD | 筋機能や骨代謝に関わる | 筋力や骨の健康への影響 |
これらは不足を補うという視点で考えるものです。サプリメントで腱や関節の痛みが改善すると断定できる根拠は限られています。食事の内容を伺ったうえで、必要に応じてプロテインなどでの補い方をご提案しています。
経過は、痛みの強さだけでなく、次の項目で確認します。
次のような場合は、整形外科などの医療機関をご紹介します。
腰・肩・肘の痛みでは、張っている筋肉が原因ではなく、関節や腱の問題に対する反応であることがあります。この場合、揉むことで一時的に楽になっても原因が残っていれば痛みは戻り、時期や病態によっては悪化することもあります。
岡山市南区西市のじゅん整骨院では、徒手検査とエコーで痛みの出どころを確認し、原因組織と時期に合わせて手技・運動療法・物理療法・栄養面の確認を組み合わせています。
ケガをした直後や炎症がある部位へのマッサージについては「”マッサージ”がダメな理由とは?」で解説しています。
エコーで確認している内容は超音波画像検査(エコー)のページ、使用している物理療法機器は物理療法のページをご覧ください。