走っていたら”肉離れ”を起こしたという経験はないでしょうか?
と言っても、”肉離れ”の原因は様々です。走る、飛ぶ、着地するなど筋肉に強い収縮が強いられたときに肉離れは起きます。
ここではわかりやすく”肉離れ”と言いますが、肉離れという言葉は医学的ではありません。正式には筋損傷です。もっというと筋断裂です。そして、この筋断裂の中でもいろいろな分類があります。
さて、この”肉離れ”の症状は痛みが主体ですが、例えばふくらはぎの肉離れであれば、アキレス腱伸ばしができない、歩くといたいなどの症状があります。
ハムストリングの肉離れであれば、もも裏のストレッチで痛い、もしくは痛くてできない、歩けるけど痛みがあるなどです。
軽度の肉離れであれば、内出血は起こらないこともありますが、多くの場合は強い痛みと数日後に内出血が出てきます。ただ、肉離れを起こしていても内出血が出ないこともあるので、内出血だけで”肉離れ”を判断することはできません。
また、似ている症状に筋肉痛(遅発性筋痛)があります。筋肉痛は、筋肉が細胞レベルで損傷している状態で、肉離れに比べると症状は軽微で数日から1週間程度で症状は改善します。
筋肉痛は、一般的に翌日もしくは2日目以降に痛みが生じることが多いですが、中には運動直後から症状の出る筋肉痛もあるので、”肉離れ”と間違うこともあります。
ちなみに筋肉痛と”肉離れ”では、治療方法に大きな違いがあります。例えば、肉離れを起こしているのにストレッチをしてしまうと余計にその損傷をひどくしてしまいますし、温めてしまうと損傷部での出血量が多くなってしまうので、回復に時間を要してしまうことになります。
さらに、肉離れしているのに無理に運動をしてしまい損傷した筋肉に負荷をかけると、異所性骨化といって筋肉が骨化してしまうこともあります。こうなると保存療法(手術以外の治療法)だけでは、回復が難しくなるケースもあります。
ですから、筋肉痛と”肉離れ”を安易に判断してしまうことは危険なんです。
先日、筋肉痛と思っていたけどなかなか痛みが回復しないということから、発生から10日ほどたって当院を受療された方は、太ももの筋肉が断裂していました。
このように、筋肉痛と”肉離れ”の判断は意外と難しいのです。
当院では、エコー(超音波画像検査)にて損傷した筋肉を描出して、筋肉に損傷があるかどうかを判断していますので、このような症状でお悩みの際はまずはお気軽に当院までご相談ください。