昔は”突き指”して病院に行くと、監督や先輩から「お前、突き指くらいで病院いったん?」ってよく言われた。だから突き指くらいで病院に行くのって恥ずかしい…なんて思っている人も少なくない。
そのせいか、いまだに”突き指”してもすぐに整骨院や病院に行かない人がいます。親御さんも「突き指だからほっとけばそのうち治るよ」と言って、子供が突き指してもそのまま‥。
でも、”突き指”って結構こわいんですよね。特に小学生の突き指。結構な確率で骨折しています。
”突き指”というのは発症形態を表しているだけで、病態を表しているわけではありません。”突き指”は、靭帯や軟骨の損傷、そして骨折をともなっていることもあります。
ちなみに、整形外科とかだとすぐにレントゲンを撮ってくれます。レントゲンでは骨折の有無を確認できるんですが、実は突き指したときの骨折って、レントゲンでは映らないことが多いんですよね。だって指の骨って小さいですからね。
その小さい骨が完全に折れてたらレントゲンでも分かりやすいんですけど、突き指で骨折するときは裂離骨折と言って、靭帯の付着部がめくれるように折れるので、すごく小さい骨片なのでなかなかレントゲンでは映らないんです。
だから”突き指”したときは、レントゲンよりエコー(超音波画像検査)で患部を確認する方が骨折を判断しやすくなります。
当院でもエコーを導入していますので、突き指の患者さんが来院されたら、エコーの設定を浅めに設定して表層の組織を綺麗に描出するようにしています。
そうすることで、100%ではないですが靭帯の損傷や裂離骨折、さらにはヒビが入っている場合も見つけることができます。
こうして”突き指”の病態を詳細に把握することで、適切な固定、適切な固定期間を判断しています。
なお、一般的に突き指の固定は、テーピングやスポンジに鉄の板がついたようなあるフェンスという固定具を使いますが、これらの固定具では患部を的確に固定することはできず、靭帯が緩んだり、骨のくっつきが悪くなる原因にもなります。
このように、”突き指”の固定は非常に重要で、固定がおろそかだと治療期間や後遺症に影響を与えることとなります。
当院では、お湯につけると柔らかくなる特殊な材料を使って、患者さんの指にジャストフィットする完全にオーダーメイドの固定具を作成して、患部を的確に固定しています。
固定については以下のページを参考にしてみてください。
単なる”突き指”と安堵せず、突き指した際にはお早めにご連絡くださいね。